第三回警察小説新人賞の選評を拝読。
今野敏ファンとして、黙っていられないので書かせていただきます。
上記のコメントを入れた方は、最終候補者の三人のうち、お一人のご友人ということで、大変にご友人思いの方かとお見受けいたします。
ご友人が今野敏さんの選評の言葉にショックを受けて筆を折った。ということですが、今野先生のどのコメントも非常に冷静で、「心を潰す」とは全く大袈裟な受け取りかと思います。
同じ小説家を志すものとして選評を拝読しましたが、指摘のほとんどは小説の「技術」面であって、そのセンスを問うているものではありません。
小説への取り組みが真剣なのであれば、技術面はすぐに改善できます。
あの選評で心を潰されるのであれば、現存するプロ作家のほとんどがデビュー前に死滅しているでしょう。
きつい言い方ですが、あのコメントで筆を折るようなのであれば、どうせプロになっても続かないので早めにおやめになった方が……とも言いたくなります。
正直、そんなことで筆を折るなんてバカみたいです。志が中途半端だったということでしょうか。
ご友人が筆を本当に折られるのであれば、それは今野先生のせいではなく、その方が未熟だっただけのことです。
しかしながら、ご友人は一度最終候補に残った、という事実だけでもすごいではありませんか。今後の大きなアドバンテージ(他の賞への応募に際して)になるし。
新人賞はスカウトだから、作品はもちろんですが、それだけではなく、書き続けている人に、編集部は前向きになると聞いたことがあります。
デビューした後、書き続ける人でないと、新人賞主催している出版社は困るんです。その賞も盛り上がりませんし。警察小説新人賞であれば、警察小説を今後書き続けて売れる人が小学館は欲しいんですよ。
とにかく、ご友人は下読みさんや編集部が最終に残した作品を書いた方なんですよ。筆を折るというのは勿体無いと私は思います。
まあライバルが減っていいですけど。
今野先生に恨み言書く前に、ご友人を励まして推敲して改稿するように促してはいかがでしょう。
私は新人賞のライバルが減って嬉しいですが、それより小説を書いている人が増えた方が、小説を好きな人が増えた方が嬉しいです。(盛り上がりますから)
加えまして、今野敏さんほど、この業界の育成や若手の作家を応援している作家はいません。
現に、選考委員なんてつまらない仕事、引き受けているんですよ。未熟な作品を読まされて、しんどいと思いませんか。
私、友人の作品を読みのがとても辛いです。だって下手なんですもの。
今野先生のお言葉で好きなものがあります。
「小説を書く」のではない。「小説に書く」のだ。と、ある小説講座でおっしゃいました。
自分が物語で表現したい思いの丈や、志、悩み、怒り、なんでもいいのです。
表現したいものを、「小説に書く」のです。
ご友人が、警察小説を通して訴えたい何かをどうか物語にして、小説として成立されますように。
駄文・乱文で失礼いたしました。